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ラベンダーの咲く庭で


「こんな小粒映画は3週間で上映終了だからさっさと観ておかなくては」の配慮から、公開3日目に映画館へ足を運んだ
「ラベンダーの咲く庭で」なのに、上映一ヶ月を過ぎても連日連夜の大盛況。
公開終了どころか、まだまだ上映は続くでしょう!
配給会社の笑い声がそちこちから聞こえてきそうな大好評ぶりです。


ジュディ・ディンチ、マギー・スミス、という2大女優と、今をときめく(私がときめいてる)ダニエル・ブリュールくんの共演。
究極のプラトニック・ラブ(しかも片思い!)ということが、おばさま達の好奇心をくすぐるのか、
まあ、会場をうめつくす、すごーーく念入りにおしゃれしたおばさま方の集団!
絶景かな、絶景かな、絶景かな!

お話しはまあ、それなりで、十分に楽しめたけど、なにしろおばさま方の脹らんだヘアスタイルや、
少々横へ張り出し気味の肉厚な肩幅、そしてやたら姿勢の良い座り方などがあいまって、
映画鑑賞、という観点からしてみると、あまりいい環境ではありませんでした。はあ

ジュデイ・ディンチやマギー・スミスは文句なく素晴らしく、彼女たちの演技力でこの映画は成り立っていますね。
お金をかけずとも、演技力で映画を名作にできる俳優、いまどれだけいるでしょうか。

ダニエル・ブリュールもちょっと珍しいくらいの丸顔&童顔でみずみずしい演技をしてくれました。
実際、ラストシーンでは、彼の演技でほろりと泣かされてしまいましたし。

ナターシャ・マケルホーン。彼女、大変美しい女優で大好きですが、出演作品にあまり恵まれていません。
しかし、本作品ではばっちりステキな女性の役柄で、そこはひいき目にちょっと嬉しかったですね。

物語の背景には戦争やスパイ活動などの暗いものもたくさん敷かれているのですが、そういったものを
あえて説明せず、登場人物達の生活ぶりからそれらを伺わせる演出の旨さにも驚嘆です。

一切の説明を省いて居るぶん、あれ? これはどうだったのかな? これはどうなったのかな? と
思う場所もいくつかありますが、「おとなのためのお伽噺」という作品のコンセプトを観れば、
そんな疑問がナンセンスなものになってきます。

正直に素直にまっすぐに生きる人間達ばかりだった時代の、とても美しいお伽噺。
ゆっくりと時間の流れるその空間を、少しだけ覗いた満足感は、時間とともに染み入るはずです。

追記>バイオリニストの映画ですから、もちろんサントラ盤も最高に美しく切ないメロディで涙を誘います。
劇場では「その手には乗るものか!」と気合いを入れてさめざめと涙を流すご婦人達の中で作品に没頭したワタクシ。
帰宅してサントラ盤をBGMに仕事をしていたら、はらはらと涙が流れてきました。
時間とともに染み入るどころか、心の一部が浸食されてしまったかのような麻痺に近い感動。
音楽がその麻痺を解き明かすカギになってるようです。



Posted: 金 - 7月 15, 2005 at 09:22 午前        


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