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後先考え無し


こう、と思い立ったらその場で立ち上がって行動に移さねば気が済まない性格は、
フットワークが良い、といえば聞こえが良くて好感を持ちたくなる明るさを持っているが、
裏を返してよくみれば「後先考えずの考え無し」な衝動欲にすぎないことがよくわかる。

そこまでわかっているのに、この性質だけはどうにもこうにも改まる気配がない。
思いつきの行動は失敗がおおく、加えて失うモノなど底知れず。
よそさまに迷惑をかけることしきりで、そのたびに東西南北あちこちへ頭を下げて
しばしの日数落ち込んだりもする。

なのに、やはり改まらない。
学習能力がない、というより、馬鹿なんじゃなかろうかと、四十路を前に自覚を覚悟する今日この頃である。

先日、ロマン・デュリスが表紙を飾るフランス製映画雑誌「STUDIO」を見かけた途端、
なにがなんでも欲しくなり、思いつくままに洋書を扱う近所の書店を駆け回る醜態をさらしたばかり。

店頭に無いと見て取れば、カウンターにかぶりついて、在庫の有無を確認させ、出版元への連絡まで無理強いする有様であった。
結局、電話で問い合わせた書店もいれれば、その数は10店にのぼることになった。

お陰様で思い立ってから2日後には目当ての雑誌を手にすることが出来、あとは
このブログにも記したとおりの感激ぶりでありました。

と、ここへきて困った事態になっているのは、各書店からご丁寧にも書籍入荷の連絡が立て続けている事である。
都内洋書店において、今月にかぎり、ずいぶんとたくさんの「STUDIO」が入荷している模様。

渋谷の「ロゴス」においては3冊確認、青山ブックセンターでは6冊、外苑前の「リブロ」でも4冊。
あまりにも申し訳ないので連絡のあった書店へ出向き、一冊づつ購入して参りました。

ここでもまさに、「後先考えずの考え無し」が見事に露呈しているのである。
なにごとも黙って3秒考えろ。
明治生まれの祖父は、考え無しに軽率なことをぺらぺらしゃべる粗忽者の孫に、
いつでも苦い顔をしてそういった。

お年寄りのいうことはよく聴くモノだ。
祖父の言ってたことはなにひとつ間違っては居ない。
私はこの粗忽のおかげで、いつでもどこでも平身低頭の後始末に追われて止まないのである。

Posted: 火 - 2月 8, 2005 at 06:13 午後        


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