スカウトウーマン
用事があって、次男といっしょに渋谷を歩いていると「すみません! おかあさま!」
と、人混みの中から呼び止められて、財布でも落としたかと不審がると
「お子様、どこかに所属されてます?」
と、たたみかけられました。
そうです、なんと、我が次男。
渋谷の街角でタレント事務所からスカウトされてしまったのです!
がーん!(まことちゃん風)
「これはもしかしてスカウトですか!」
驚きと喜びで大声を出す私を押さえ込めるべく、
スカウトウーマンは事務所のパンフと名刺を手に、概要をよどみなく説明します。
「しかし、あなた、これですよ、これ、」
と、半信半疑で息子を指さす私に、彼女は笑顔で
「うちの稼ぎ頭『えなりかずき』もそうですが、こういったひょうきんでふざけた顔がほしいんです!」
と。
ま、ジャニーズじゃないんですから、ハンサムくんやキュートくんを求めているわけではないんでしょうが、
こうもはっきり「ひょうきんでふざけた顔」と断罪されると、母はすこし悲しくなりました。
確かに彼の顔は「遊園地」のような楽しさです。
けっして男前や二枚目にはなれない顔です。
スカウト、と聞けばアイドルたちのプロフィールに燦然と輝くデビューのきっかけです。
なのに、彼はアイドルではなく、「いろもの」としてスカウトされているのです。
しかも6歳で。
彼の通う幼稚園にも、スカウトされた、という子供達がけっこういるのですが、
やはり、声をかけられるくらいの子供達はとても可愛らしい。
スカウトされても不思議じゃないかわいらしさです。
だからスカウト、と聞いて、母は嬉しかったんですけどね。
こうなるとこれは嬉しい出来事なのか、悲しい出来事なのか、
もはや私にはサッパリ訳がわからないのでありました。
Posted: 金 - 11月 5, 2004 at 05:10 午後