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ラファエル・ファジト監督「OSMOSE」


日本未公開のロマン・デュリス出演作品は山のようにありますが、
その中でワタクシが気に入ってる作品がラファエル・ファジト監督「OSMOSE」。
http://www.romain-duris.com/001lefilms/osmose/osmose01-1.html
直訳で「浸透」という意味なんですけど、どうしてそれがタイトルなのかはいまひとつはっきりわかりません。

しかし本作品はとても気に入っているので、10分だけ時間がある、とか、ちょっとロマンの声を聞きたい、
というときにちょこちょこ見たり聞き流したり活躍しています。
英語の字幕スーパーつきなので内容が理解しやすいのもいいです。
昨夜、久しぶりに夜中にじっくり最初から最後まで見ましたが、やっぱり面白かったです。

フランス映画が好きなんです。
なんて話しになると決まって言われるのが「ああ、あの独特の雰囲気ね」というやつ。
ま、たしかに文学的で曇り空で哲学的な要素の強い一昔まえのフランス映画の残した功績は偉大なものがありますから、そういった認識がされていても仕方のないことですが。

しかし、文化は生き物です。生ものです。言葉や流行と近しい性質を持っているのです。
映画もしかり。
日々進化を続け、あらゆる価値観をもった人間が映画というメディアで自己表現をしているのです。

アメリカにおいても今ではインディペンデントとメジャーの境界線があいまいになってきています。
いっときの制作費をつぎ込んだゴージャス路線ではなく、脚本重視だったり、演技派だったりするものが
大ヒットすることも珍しくありません。

フランス映画だっておんなじ。

文学的でも哲学的でも曇り空じゃなくても、素晴らしいフランス映画がたくさんある。
フランス、アメリカ、というのではなく、「これはすごくおもしろいんだ」という宣伝でいけないのかな。
小粒だけどきらきら光る秀逸作品を目にすると、ああ、この子に日の目を見せてやりたい。
との老婆心で切なくなります。

ラファエル・ファジト監督も外見的にいったらかなり妖しい感じの若者です。
どちらかといえばラスタなクラブにいそうな雰囲気。

ご自身が「OSMOSE」に出演なさってもなんの違和感もなかったでしょう。
パリに住む若者達の日常を描いただけの作品ですが、どいつもこいつもどこにいたっておんなじだあ。
と、気が楽になるような内容です。

単館上映扱いで日本公開してもよさそうに思うんだけどなあ。
渋谷ソサエティとかイメージフォーラムとか。それっぽいと思うのだけど。

2003年、ロマン・デュリス29歳の作品です。

Posted: 金 - 6月 24, 2005 at 11:11 午前        


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