キューバ・サルサ・クバリブレ
10年くらい前にフロリダでグロリア・エステファンのライブをみたことがあって、
そのときに購入したCDが、なぜかここ何年も開けていなかったスーツケースの中からでてきました。
次男が歩き始めたころ、手にするモノをあちこちへしまい込む、というのに夢中になった時期があったから、
おそらく、その当時のなごりだと思われます。
クローゼットに押し込められたスーツケースの中でサルサの女王は冬眠中でした。
冬の到来も近いというのに、この暖かさですし、
せっかくですからグロリアにひとつ歌っていただきました。
すると、このライブを観たあと、どうしてもキューバへ行きたくなって、ジャマイカ経由で
キューバへ遊びに行き、クバ・リブレ(ラム&コーク)とコヒィバ(コイーバ)の日々を送り、
東京へ戻ってからサルサを習いに行ったり、輸入量が少なくてバカ高かった
ハバナクラブをがぶ飲みしてた当時へ、あっというまにトリップ!
毎日が楽しくて刺激的だったけど、恥ずかしいこともいっぱいしたし、思い出したくもないこともたくさんある。
でも私も若かったし、なにしろ元気いっぱいだった。
今だって若くて元気いっぱいだけど、当時のそれと、今のそれでは質が違う。
あんなにシンドイ年代に、神様がもいっかいもどしてあげます、って言ってくれたとしても、
あれをもう一回経験するのは体力的にも精神的にも御免被りたい。
でもあの経験があってよかったな、楽しかったな。
久しぶりにあのころを思い出して胸がきゅんとなった。
イズラ・デル・フベントゥのリゾートホテルのプールサイドで見上げたあの青空は
その島の悲しい成り立ちと相反する美しさで、今でも忘れられない不思議な広さだった。
私がその島を訪れた14年前に作家レイナルド・アレナスがその島の牢獄から開放され、
合衆国へ亡命した、という事実を知ったのは、それからさらに6年後の2000年。
渋谷のシネマライズで映画「夜になる前に」を観るまで、そんなことこれっぽちも知らなかったのです。
私にとってもキューバは、陽のグロリア・陰のレイナルドによって成り立っているようです。
Posted: 水 - 11月 10, 2004 at 12:57 午後