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ハバナ・チェゲバラ・カリエンテ


モーターサイクルダイアリーズ、恵比寿ガーデンシネマで観て参りました。
キューバにつていは、以前この日記に書き記したことがあります。
http://www13.plala.or.jp/romain-duris/blog/C1429722987/E1756040622/index.html

キューバの都市ハバナにしばらく滞在していました。
街中いたるところにチェ・ゲバラとヘミングウェイの顔(ポスター)や名前を見つけることが出来ました。
私がキューバを訪れたのは10年以上も前のことですが、あの国の暑さと空は、
訪れたことのあるどこの国よりも強烈に私の中に焼き付いています。

観光で訪れたにもかかわらず、アメリカからの経済制裁に加え、ロシアの崩壊が追い打ちをかけ、
経済状態は惨憺たるもので、一般市民達は毎日の食事にも事欠く始末。
外貨を持つ観光客の私たちでさえ、食事の時間を逃せば、なにも食べられないような状況でした。

キューバといえば、サルサ、ヘミングウェイ、チェ・ゲバラ、葉巻以外のコンセンサスを持たない私は
ゲバラの顔がプリントされたTシャツを嬉々として購入していたのですが、そのたびに「チェを好き?」
と聞かれました。
無知で若かった私は「ムイ・ビエン♪」なんて脳天気に答えていましたが、今日、この映画を観て
あのときの質問の意図を初めて理解できたのです。

キューバから戻ったあと、キューバの国と産業、歴史と生い立ち。
そしてもちろん、チェ・ゲバラについて。
随分熱心に勉強しましたが、「モーターサイクルダイアリーズ」で描かれているチェになるまえの
ゲバラについての情報は無く、そのまま彼のことを知らぬままに過ごしてしまいました。

あれから10年以上の時間がたって、初めて映像によってチェ以前の彼を知ることになりました。

キューバは教育と医療が無料です。
大学へ進学したい人間はみな進学し、必死に勉強をします。
だから、キューバで大学へ進学する人間はとても優秀です。
行ったことのない外国の言葉を5つも6つも話せる、なんてざらです。
実際、私もハバナ滞在中に、「はじめて日本人と話したよ」と、喜ぶ大学生たちに随分たくさん会いました。

そして無料の医療。
病気になっても、調子が悪くなっても、病院は「ただ」です。

これはカトリック、という宗教の流れからくる「施し」に基づく配慮だと思っていたのですが、
後日になってキューバの本来の宗教はカトリックではないことが判明しました。

この件に関しては、またの機会に。

「モーターサイクルダイアリーズ」を観て、教育と医療のフリー制度の理解と、
愛すべき人格者であったチェ・ゲバラの人間像を得ることが出来ました。

チェ・ゲバラ好き?
その質問は、本当の意味での「愛しているのか?」ということだったのかもしれません。

人間として、男として、チェ・ゲバラはとても魅力的だったものね。
ラテンアメリカの人間はみんなチェを愛しているのよ。

そんな愛が内包されていた質問に違いないのです。

キューバでのたった一ヶ月の滞在で、私に親切にしてくれた人たち、関わりのあった人たち。
みんなの顔がひとつひとつ思い出されて懐かしかったし、またひとつ私のなかでキューバのピースオブケイクが増えました。

最後のスタッフロール時に映し出された「グラナードとゲバラ」の旅行中の写真には胸を打たれました。

確かに素晴らしい映画だったけど、感動して泣くタイプの作品ではありません。
だから、ひとりはらはらと泣いてしまったおばさんの私は、ちょっとバツが悪かったです。

(映画については南青山日記映画事情へ記しました)

Posted: 金 - 12月 10, 2004 at 03:43 午後        


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