Jamiroquai
ジャミロクワイ
ジャミロクワイが来日してましたね。
彼の顔を見ていたらいろんなことを思い出しました。
ジャミロクワイがデビューした当時、私は20代半ばで、個人的に辛かったり、しんどかったりする時期だったから、彼のデビューアルバムを聴くとその当時のことが思い出されて切なくなる。だいぶ前に成人式は終わったモノの、24.5歳の仲間達も私もまだまだ子供で、馬鹿げたらんちき騒ぎと昼夜逆転の生活にどっぷりつかり、若さと未来と人生は永遠に続くモノだと単純に思い込んでいた。そういう時期に大好きで大好きでたまらなかった友人がオーバードーズした。これはいまだに癒えない傷跡になって私自身の奥底にしっかり張り付いている。亡くなった彼は私たち仲間内では一番の人気者で、外見もジャミロクワイのような男前じゃないけど人好きのする愛らしい顔立ちだった。男にも女にもモテモテでとてもチャーミングな男の子だった。彼の奏でるギターソロはジミヘンのように魅惑的で、ジャコ・パストリアスのようなステージングで、それを見た誰もを魅了した。24歳の彼はジャンキーというのではなく、楽しむためにドラッグを口にしたし、鼻から吸い込んだりしていた。もちろん、それは彼だけではなくて、当時のクラブキッズはみんなそうやってドラッグを遊びのツールとして使っていたのだ。当時出回り始めたばかりの合成ドラッグは、それまでのドラッグよりも低額だったために、皆おもしろがって大量購入し、まるでサプリメントかなにかのように、ぽいぽい口に放りこんでいた。そのころジャミロクワイは鮮烈なデビューを飾り、もちろんクラブキッズだった私たちも彼の比類なき才能に魅了され、彼の曲に合わせていっしょに踊り、時にドラッグを楽しみ、気が向くと身体を重ねて時間を共有した。そういう最中に彼は一足先に橋を渡り、そのまま帰ってこなかった。だからジャミロクワイを聞くと途端に切なくて哀しくて、逝ってしまった彼を思い出して涙が溢れる。当時の仲間で今でもつきあいのある人間は2人ほどしかいない。そのうちのひとりは先月のライブにいったそうだ。彼は逝ってしまった彼とは幼なじみだったから、ひとり思うところも多かったのだろうと思う。ライブに行ってきたんだ。飲み屋のカウンターで私にいったくせに、どうだった? と問い返しても彼は「よかったよ」と、それだけしか言葉を選ぶことをしなかった。
Posted: 水 - 6月 8, 2005 at 01:47 午後