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ヴェロタクシー


ベロタクシーといわれてピンとくるひとはどれくらいいるのか?
我が家ではこの巨大三輪車に屋根をつけて、街中を足こぎで走り回るタクシーを
「ヘンテコタクシー」と勝手に命名しておりました。

先日、子供達と公園で和んでいると、この「ヘンテコタクシー」のドライバーが、
公園入口に「ヘンテコ」を停めて公園のベンチに腰を下ろしました。

途端、無人になった「ヘンテコ」へ飛んで群がる子供達(しかもみんな男の子)。
こういうとき、さすがに女の子たちはクールでまったく興味の無い顔をしながら、
全身がダンボの耳になっています。

「これ、自転車とおんなじなんだぜー」「車と同じ道走ってんだぜー」
などと騒ぎ出した男子達に反応したのは、ベンチでおにぎりを食べていたドライバー。

『ま、小僧たちに悪さされたらたまんないもんね』と、母は高みの見物を決め込んでいると、
なんと、彼は小僧達相手に営業を始めたではありませんか!

おお、見上げた営業努力!
うちの会社へこないかい! 思わずヘッドハントしたくなるような人材です。

ベロタクシーは、都内を走行する都営バスの車体と同じように、ボディにスポンサーの
広告がプリントされるのですが、今、一番多く見かけるのが「スターバックス」バージョン。

子供相手に笑顔で対応するドライバーの人柄にひかれて、遠目だったママ達や、女子達も
だんだん周りに集まってきました。

こういうものは京都などの観光地にのこる観光客相手の人力車のようなもので、
地元の人たちにはまったく「縁」のないものだ、と、誰が言い出したわけでもなく、そんな認識がされています。

ところが、そのドライバーいわく、今、この「スターバックス」のベロタクシーに限り、乗車地点から
一番近いスタバまでの乗車運賃が無料になっている! とのこと!

わーーーっ! すごーーーい!ふとっぱらーー!

と、一気にボルテージの上がったママ軍団。
ドライバーも顔を上気させて嬉しそうです。

「いかがですか? 今からどなたかスタバへいきませんか?」

いきなりママ達の気分がしぼみます。
こんなの乗ってスタバにいったところで、途中で知り合いにあうのも恥ずかしいし、
なじみのスタバの店員に「ご乗車ありがとうございます!」なんて声かけられても恥ずかしいでしょ。
それにここから一番近いスタバって、50メートル先に看板みえてるしね。

ママ達の思考回路が手に取るように頭上に浮かぶのがわかって、みんなお互いに顔を見合わせて苦笑い。
ひとり、わかってないのがドライバーの男の子。
「ね、いかがですか? 無料ですから!」

って、いわれてもねえ。
かなり恥ずかしいですよ、ほんと。



Posted: 木 - 11月 25, 2004 at 04:36 午後        


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