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シガー


葉巻をたしなむ男性を4人知っています。
その中で私よりも7歳年下の男性が連れて行ってくれたシガーバーが神宮前にあります。
先日店の前を通りかかると、ちょうど店内からお客様がでてきて
店内の香りが歩道へ流れてきました。

彼とは4年ほど会っていませんし、普段は思い出しもしないのに、
その香りがふと彼の事を私に思い出させました。
彼はフランス系カナダ人でしたから、カナダと友好関係にあるキューバへバカンスでよく出かけていましたし、
ハバナには友人も何人か住んでいるようでした。
(キューバにはカナダからの旅行者がとても多い)

彼は「コイーバ」(コヒィバ)を好んでいたので、シガーバーでは必ずそれを、
仕事のあとのバーなどで煙をくゆらせていました。

葉巻、というのは或る程度年齢のいったタフな海千山千のおやじのもの、という
イメージでしたが、彼は実に優雅に旨そうに葉巻をたしなみました。
(実際、彼以外の3人は、彼よりもだいぶ年上にもかかわらず、あまり葉巻が絵になっていません)

ひとつのプロジェクトをふたりで手がけた仕事のみ、のつきあいでしたが
ときどきそうやって食事をしたり、呑んだりしたときのことを唐突に鮮明に思い出し、
なにか、とても懐かしくなりました。

ほろ酔いのときに思いつく限りの悪態を、フランス語で私に伝授してくれた
懐かしいシガーバーに、たしなむものは無いけれど、香りを愉しみにいこうかしら。

そんなセンチメントにとりつかれた晩秋の夜でした。



Posted: 土 - 11月 6, 2004 at 12:21 午前        


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