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4月の魚と息子達参上


4月になると大漁になる「鯖」(サバ)は、素人でも簡単につり上げることが出来るため、「4月に入った途端にバカになる魚」ということで、この日フランスでは魚の形をしたチョコレートをプレゼントする風習がある。
そこでそれを食べたヒトは「4月ばか」の威名をとることに。
とはいえ、日本人の私にとっての「エイプリルフール」は素敵な嘘で知人を驚かしたり喜ばせたりする日、としての認識の方が大きい。

だから、夫に「今日の午後こどもたちがシャルルドゴールに到着するから迎えにいってね」と電話で伝えられたとき、まっさきにそれはただの「エイプリルフール」の戯れ言に違いないと思ったのだ。

がしかし、指示された時刻に空港へ行くと、なんとなんと、我が息子達は二人揃ってシャルルドゴールの入国ゲートをエールフランスのフライトアテンダントと一緒にくぐってくるではないですか! がーん

カリフォルニアと東京間は息子達だけでフライトしたことがあるけれど、彼らにとってヨーロッパは生まれて初めての土地。英語も日本語も話せる彼らだけれど、馴染みのないフランス語に不安はなかったか。心細くなったりしなかっただろうか。

そういう母の気持ちを無視して息子達は「ボンジュール、マモ!」と長旅の疲れも見せず元気に駆け寄ってきた。
聞けば、機内で彼らの世話をしてくれたフランス人のフライトアテンダントに、フランス語の挨拶を教わったらしい。

息子達によれば、パパさまの訃報が伝えられた日本で「もしかしたらママは日本に戻らないかもしれない」と不安に駆られた夫はそれを阻止するべく息子達をパリへ送り込むことにしたのだった。
ま、それがただの大義名分で、春休みで退屈を持てあます子供達との昼夜問わない生活に、夫が根を上げての策だったのは火を見るよりも明らかではあるが。

そういったわけで、突然やってきた息子達を引き連れてホテルへもどり、部屋のアップグレードをお願いし、私は仕事場へ再び急行。
その夜の約束をキャンセルして夕方あわてて部屋へ戻ると、息子達はくつもぬがずにベッドの上で爆睡中。
一緒に夕食を、と考えていたけれど仕方がない。
諦めてルームサービスの夕食をつつきながら彼らの荷物をほどき始めると、中から出てくるのはミニカーミニカーミニカー!

きみたち生活必需品はないのか!
もしや! の予感にバッグをさかさにふって出てきたのは「ドラえもん」3冊と、食べかけの柿の種だけであった。



Posted: 日 - 4月 10, 2005 at 09:30 午後        


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