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乗り物三昧


息子達がパリへやってきたのは4月1日。
東京への帰国は私と合わせて4月5日。
と、いうことはゆっくりのんびりしている時間はないし、かといって私が仕事をさぼるわけにもいかず、
まさかほったらかしにするわけにもいかぬ。
どうしようかと想いあぐね、思い当たったのが11区に住む私の叔母。

彼女は私の実母の妹にあたる女性で、かれこれ20年をパリで生活している。
ご主人に先立たれて失意の旅行で訪れたパリにそのまま居続けているのである。
彼女にあうのは3年ぶり。
しかし、彼女が私の息子達に会うのは初めて!
息子達はベイビーのころからシッターにお世話になっているから、わりに初対面の大人でも物怖じせずに対応ができる。
しかし彼女は子供無し夫無しのきままな生活を20年もやっているひとだから、私としてはかなり不安だったけど、彼らは私の心配をよそに、初対面からうまが合ってしまったようで親密なビズも板に付いてびっくりであった。

そこで始まった子連れ出張パリざんす。
まずは朝食をいっしょに頂いて子供達を叔母の家へ送り届け、日中はひたすら働く母モードとなって働き続け、夕方には供達をピックアップするために11区へ向かう。
夕食を叔母の家でとり、子供達を連れてホテルへ帰る。

なんだか東京での生活とかわらないパリ出張。

息子達がパリで60代後半の叔母と過ごした時間の中で、なにが一番楽しかったのか?

即座に答えたのは「2階建てメリーゴランド」と「ケーブルカー」だそう。

モンマルトルの丘のうえまで階段や坂道を上っていくのが通常なのだけど、
身体の不自由なひとや年配のかたのためにケーブルカーの設置がされている。
地下鉄用の10枚綴りのチケットで利用できるそのケーブルカーは、良くも悪くも古都モンマルトルには似つかわしくない近代的な設備である。
ガラス張りの車体をケーブルを巻き上げながらのぼってゆく過程を、乗車中の車内から見られることが息子達の琴線に触れたらしく、上り下りあわせて6回も連続乗車したのだと、叔母が笑いながら教えてくれた。

ケーブルカー乗り場にて

そしてもうひとつの「2階建てメリーゴランド」というのは、「アメリ」にもでてきた有名なアンティーク回転木馬。
「こんなに古いものが現役!」と驚くことの多いパリにおいて、このメリーゴーランドも「回していいのか?子供のせて?」の疑問符が浮かばずには居られないしろものである。

でもこんなの観たこともない! と感激するほどそのフォルムは美しく、アメリのようにこの回転木馬にはなにか不思議な御利益がありそうにおもえるほど。
エレガント、という表現がまさにピタリの子供用遊具である。

このメリーゴーランドは1回のるより2回連続乗車のほうがお得プライス。
もちろん、息子達は連続4回(つまり8回)のって目を回したそうです。馬鹿ですねえ。

パリの地下を縦横無尽に走る「地下鉄・メトロ」。
東京でも地下鉄のことを「メトロ」といいますが、パリではどちらかというと「メトホー」といった感じの発音。

そのメトホーもやはり乗り物ゆえあきれるほど乗り回したのかな? と思いきや、
景色の無さが物足りなかったのか、地下鉄よりも、むしろ彼らはキッズシッターと化した叔母とともに
ぐるぐると路線バスに乗りまくったのだそう。

パリの西端15区にある「ジョルジュ・ポンピドゥー・ヨーロッパ病院」に用事のあった叔母についてバスに乗った彼らは、すっかり景色の美しさと、バスののんきな雰囲気が気に入ってしまった様子。

病院へ行くときに利用するだけだった「42番バス」に一日2度(つまり往復)は乗っていたそうです。
叔母いわく、「普段使いしているから気がつかなかったけど、このバスって観光名所の横を網羅してるのよね」。
彼らの滞在していた4月1日から4月4日は、珍しいくらいの晴天続きで、気温は常に20度前後。
帽子とサングラスがかかせないほどの日差しで、
アンドレ・シトロエン公園でのピクニックランチは素晴らしかった、とのことでした。

優雅な時間が羨ましいわ、かあさんは働いていたけどね!

もともと乗り物が好きなのは男の子の専売特許。
帰国後の彼らは「パリ楽しかった?」との質問に
「いろんなものに乗ったからね!」と嬉しそうに答えます。
凱旋門もエッフェルタワーも上らずに、車内から見上げるだけだったけど、
十二分にパリを楽しんだようです。

Posted: 水 - 4月 13, 2005 at 09:24 午前        


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